ハロプロとジャニと百合と薔薇（2004/3/3）
モーヲタというかハロプロヲタとジャニオタの違いの話というかネットでの違いというかなんというか。
ハロプロ関連でレズネタなサイトというのは非常に多く存在している。18禁系のエロは隠されているにしろ、割と自由に語られているような気がする。じゃあジャニーズのホモネタは……というと、サイトはそれなりに存在している。しかしそれは隠された存在だ、というか隠された存在でなければならない、という暗黙の了解がある。だからジャニ系のホモネタサイトは大抵鍵付でひっそりと運営されている。
そもそもいわゆるナマモノ系の小説やらイラストのどこが問題かというと、(1)肖像権侵害（パブリシティ権侵害）(2)名誉毀損ということになる。このへんみーはー倶楽部のホームページ安全講座に詳しい。*1
問題は悪口だけではなく、たとえばタレントさんをモデルにした「妄想」でも、内容によっては「名誉毀損」になりかねないわけです。特に性的なものは、問題ではないかと。
コミックマーケットのようなイベントでやりとりされる「同人誌」には、かなり奔放な妄想が描かれている作品もあります。そちらで作品を作っていた人がインターネット上で同じような作品を発表されることがありますが、これはかなり大きな問題を含んでいます。
同人誌の世界においては、書く人も買う人も特定少数の閉じられた関係の中ですから、外部の人が目を通すことはほとんどありません。それゆえ、黙認されていることが多いのです。（最近は少数とは言えなくなってますが…）
ところが、インターネットにおいては、文字どおり「誰がみるかわかりません」。タレントさん本人や、家族、関係者が目にする可能性が高いのです。
本人が目にして不愉快になる可能性があるものは、誰でもみれる場所においておくべきではないと、私は思います。同じ趣味の人同士、ひっそりと楽しみたいのであれば、メールでPASSWORDやURLを問い合せるシステムにするべきではないでしょうか？
（ホームページ安全講座：気をつけたい権利関係（著作権、肖像権など）:99/1/4）
で、ハロプロの話だ。ハロプロの性的なネタやら百合ネタは（ほとんど）隠されていない。ハロプロ界隈での肖像権の取り扱いに関する意識の低さもジャニオタにしたら信じられない話だ。
となると、ハロプロヲタとジャニオタのどこが違うのだろうという話になる。ファン層に関して言えば、娘。の百合ネタが好きな女子は多いということを差し引いても、女と男であるということが１番大きいが、ジェンダー論についてはあっちの方にのけておいて、他の要素を考えよう。
同性愛ネタについては全体的にハロプロはみんながやっているからいいや、という甘えで、ジャニはみんながやってないからダメ、という厳しさのような気がするのだが、そもそもジャニのホモネタが隠されることは、同人業界に起因していて、そのへんを語り始めるとどれが真実でどれがウワサでどれが都市伝説なのか私にはわからない*2。それは80年代までさかのぼる話であって、そのジャニーズ同人界に慣習として引き継がれていたものが、ネットにも持ち越されたのだと思う。となるとネット以前の話を比較したいところだが、ネット以前にハロプロは存在しない。女性アイドルというくくりで考えると、ネットが普及して以降、これほどブレイクしたアイドルはハロプロ以外にない*3ため、比較ができない。さらにはそれ以前の、同人業界を考えると、女性アイドルのエロ漫画やらエロ小説に関して、アイドルミニコミの存在があったにせよ、同人誌即売会において、一ジャンルを形成するまでには至っていなかったのではないだろうか？*4
また、各事務所の肖像権（およびパブリシティ権）に関する取り扱いにも雲泥の差があるが、これはジャニーズ事務所が自社の権利を守っていこうとする過程において発生したもので、今後アップフロントエージェンシーが同じように自社の権利を守ろうと動く可能性は否定できない。事務所の歴史的にはジャニーズ事務所が1975年設立*5（参考:Wikipedia:ジャニーズ事務所）、アップフロントエージェンシーの前身であるツーバンが1982年設立、さらにその母体となったヤングジャパンが1971年設立（参考:アップフロントグループとは？）であるが、肖像権およびパブリシティ権による商売においてはジャニーズ事務所に一日の長があるように思う。
つまり同性愛ネタからも、そして肖像権（パブリシティ権）へのファンの意識からもその歴史の長さが両者の意識を決定的に違うものにしているのだと推測される。
これからハロプロがその歴史を深めていくに従って、ジャニのような問題はいくらでも噴出してくることだろう。
ま、ついでに言うとさらにジャニよりハロプロの同性愛ネタに罪悪感が少ないのはそれが生々しくない*6からってのもあるでしょうけどね。
