SMAPというアイドルとPerfumeのこと

Perfumeファンの人の一部がTV露出攻勢やらなんやらで「なんかもう違うかなって……」みたいなことを言うのをちらっと耳にします。インディーズからメジャーに駆け上がっていく彼女たちを見ていて、私は単純にうれしさを感じるので、その反応は結構意外で。もっとももっと上を目指せ! ハングリーであれ! くらいのものたりなさは感じるんですけど、それは別の話です。
そのときに気がついたのは私がSMAPというアイドルグループを15年以上追い続けているという幸せについてでした。この件に関して周囲の人は「えー?」なんてことを思うかもしれません。SMAPはもともとメジャーであったと、そういう指摘を受けます。でも本当にそうでしょうか?

Wikipediaにも書かれていますが、SMAPがデビューした1991年は歌番組が次々と消滅していった時代です。でもジャニーズだし、なんてことをおっしゃる人がいるかもしれませんが、前年度にデビューしたグループが忍者であるということだけで、その状況がわかるでしょうか。または彼らのデビューイベントが西武園遊園地であったこと、それだけでかつて彼らが置かれていた状況が想像つくのではないでしょうか。光GENJIという偉大なアイドルグループのあと、そこには荒涼とした食い尽くされたかのような大地が広がっていました。私の手元には彼らのデビュー前、1989年「歌のビッグファイト!」のビデオがあります。たしかにデビュー前から彼らはテレビに出ていた。でもそれはPerfumeだってインディーズ時代を思えば、同じことです。(一応Perfumeにだってレギュラー番組がありましたし、事務所の規模でいえば恵まれているはずです)

たとえばデビュー当時のSMAPにこんな話があります。それは札幌の雪祭りSMAPが薄いちゃちな衣装を着て、ほとんど立ち止まる人もいない雪の中、歌い踊っていたと。デビュー当時のSMAPはそういうグループだったんですよ。これってなんだかPerfumeを彷彿としません? コンサート会場がガラガラだった話なんてのはメンバー自身もよくネタにしていますから、聞いたことがある人もいるかもしれません。

でも彼らはそれを乗り切った。今のSMAPについては皆さんご存知でしょうから多くは語りません。メンバーの脱退も結婚も逮捕も乗り越えて、今のSMAPがある。それってなんて幸せなことなんでしょう。ファン側から見ると「終わりのないアイドル」はなかなかつらいものがありますが……。

だから私はPerfumeがメジャーになっていくことを「違う」とも「さみしい」とも思いません。もっともっと上へ行け、とそう思うのです。紅白のオオトリを飾れ、とか国立競技場でコンサートをやれなんてことはさすがに言いませんが、でももっと上に行けるはずだと信じ願ってやまないのです。

ここがゴールなんじゃない。ランキング3位で泣いてる場合じゃない。もっと上へ。