11/6〜11/7「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」

 あれから1週間が経ちました。あの2日間のことをちゃんと記しておきます。

 武道館初日。二階席に私はいました。一番初めの曲、「コンピューターシティ」。その途中で私は溢れ出す涙をこらえることができませんでした。それはかつて噴水広場で「ポリリズム」のレコ発イベントを見たときの涙にとても似ていました。そういえばあのとき、私は2chに「トモコが泣いてる」とか書かれたような記憶があります。

 数年前、小さなステージで彼女たちが踊っている姿を見たことがある人は、あの広い武道館に何人いたのでしょうか。50人いなかったのではないでしょうか。私がちょうど座ったその二階の座席の隣のブロックは関係者席でした。そこにかつてのマネージャーである石井さんがいらっしゃいました。石井さんと顔見知りであった私は開演前に軽くご挨拶をしました。チケットが来た瞬間は2階席であることにちょっぴり失望をしたものでしたが、石井さんとご挨拶をさせていただいたその瞬間に、この座席さえも必然であったのだと感じました。あの頃、Perfumeのマネージャーであった石井さんとほとんど同じような場所から見たPerfumeはあの頃と変わらずに輝いていました。あの頃と変わらないことがいいのか悪いのかはわかりません。でもあの頃も彼女たちが輝いていたように、今も変わらずあの大きなステージの上で彼女たちは輝いていました。

 二階席から見る彼女たちはとても遠くにありましたが、本当に輝いていました。

 そしてPerfumeの話しか聞きたくない人には余計な話になるかもしれませんが、ほんの一瞬だけ私がかつてSMAPというグループを武道館で見た日のこと―――10年以上昔、私が10代の頃に見たその光景がよみがえりました。ちょっと前から私はきっといつかPerfumeSMAPのように見る時代が来るということを言い続けていました。むしろ、そうなってほしいとずっと願い続けていました。年末のTV雑誌の表紙をすべて飾るグループとPerfumeを同列におくことはおこがましいかもしれません。でも私はPerfumeにそうなってほしいと願っていました。そしてPerfumeは少なくとも、そのスタートとなるべき場所に立ったのです。

 2曲目、edge。これはごくごく私的な感想になります。*1私はそこにかつて一緒にPerfumeを応援した友だちがいないことに涙しました。どうしてこの武道館のステージを見ずに彼が逝ってしまったのか、そのことに涙しました。できることならば、一緒にこのステージを見たかった。でも彼は逝ってしまいました。

 二階から見る武道館は熱狂の渦にありました。
 それはすさまじい熱狂の渦でした。

 武道館の1週間ほど前、私は最寄駅でそれほど親しくはない顔見知りの新参のファンの方に偶然お会いしました。その方はメジャーデビュー後のファンの方です。私たちよりも新しいファンであるはずの彼からGAMEやlove the worldでファンになった方たちの話を伺いました。新しいファンの方たちの熱意に押されてしまうと、彼が苦笑とともに話してくれました。今Perfumeはそういうグループになったのです。

 遠くで輝く彼女たちに、私は安堵と不安を覚えました。ここが最高地点なのか、それとももっと登っていくのか、私にはわかりません。でもそれは、かつて私たちが感じていた「いつPerfumeは終わってしまうのか?」という不安に比べれば些少な不安のように感じました。

 武道館2日目。私と妹は素晴らしい席にいました。P.T.A.から届いたその席はありえないほどに良番で、チケットが届いたその日、私と妹は興奮で手が震えたものです。いまさら私がいた場所を隠しても仕方ありません。私は花道真横のA7ブロックの前から3列目という場所にいました。あまりの良席に人に話すのがはばかられたほどです。

 そこから見たPerfumeは、よくも悪くもあの頃のままでした。*2そしてとてもとても素晴らしかった!

 私と同様に古いファンの方が「武道館の一番後ろの席までPerfumeはまだ感動を届けられていなかった」と1日目の感想を述べていらっしゃいました。私はそうは思いません。一番後ろの席まで、Perfumeは感動を届けていたと信じます。ずっと昔からPerfumeを見ていた人たちには物足りなさがあったかもしません。でも、私はあの頃、亀戸サンストリートで歌い踊っていた彼女たちのパフォーマンスが当時武道館で公演を行うアーティストに劣っていたとは思っていません。こんな風にお話しすると、あの頃からPerfumeに成長はないのか、と思っている方もいるのかもしませんが、そうではありません。彼女たちはそのポテンシャルをようやく爆発させたにすぎないと私は思っています。

 ちょうどステージの上にいるPerfumeとの距離は亀戸サンストリートの最後列からPerfumeを見たときと同じくらいの距離でした。同様にセンターステージ(真ん中の花道の先にあるステージ)に立つPerfumeの後ろ姿は亀戸のステージ後ろにある階段からPerfumeを見たときのことを思い出させました。

「マカロニ」を3人が歌ったとき、私の位置からは3人の後ろに1階席、2階席のたくさんのお客さんを見ることができました。2日目、私がわずかに涙をにじませたのはこの瞬間だけでした。こんなにたくさんの人たちの前で歌うことをPerfume自身は予測していたでしょうか?

 すぐ近くで見るPerfumeはあの頃と変わらず、いえあの頃以上に素晴らしかった。

 私はこれからもずっとPerfumeを追いかけていくのだと思います。それは雑誌の対談で話したように、SMAPを追いかけるようにPerfumeを見続けていくつもりです。かつてのPerfumeのファンの方たちの中には「Perfumeが遠くなってしまった」と話される人たちがいます。でも本当はそれが当たり前のはずです。ですから私はPerfumeが遠くなってしまったとは思いません。逆に亀戸時代を知っているからこそ、私は遠くなったとは思わないのです。これは矛盾しているでしょうか?

 きっとPerfumeはこれからも輝き続けるでしょう。

 最後にひとつ。花道脇の3列目にいた私たちですが、花道脇の2列目、ちょうど私たちの1列前に2つ空いている席がありました。死んだ友人の妹さんから事前に「チケットを受け取れなかった」という連絡を私は受けており、そのチケットが空席となっていることは承知していました。その座席は終演まで誰も座ることがありませんでした。もちろん、死んだ友人がとれていたはずの座席番号はわかりません。けれど、私はその空席は死んだ友だちの座席なのだと思いました。もし彼が武道館でのPerfumeをその席で見たらなんと言ったでしょうか。そのことだけが唯一の気がかりです。

 っちゅーかいつも汚染地おセンチですいませんね! おばちゃんなの! 年寄りなの! ほっといて!

*1:もっともすべて私的な感想ですけど

*2:MCに関してはノーコメントだよ!